日本エリートの弱点 2013 3 17

 日本エリートの弱点とは、軍事に疎いことである。
欧米のエリートは、たとえ平和主義者でも、
一般教養として、軍事の知識を持っています。
 さて、2013年3月16日の時事通信社には、このようなニュースがありました。
「最新鋭戦闘艦を東南アジアへ初派遣 アメリカ太平洋軍」
 アメリカ太平洋軍(司令部ハワイ)は16日、
アメリカ海軍の最新鋭の沿海域戦闘艦1隻を初めて、
東南アジアに向け派遣したことを明らかにした。
 派遣されたのは、
沿海域戦闘艦1番艦の「フリーダム」(全長115メートル、3000トン)。
水上戦闘から、対潜戦、特殊作戦部隊の支援まで対処できる。
時速70キロ以上の高速で航行可能。
(引用、以上)
 このニュースに出てくる「沿海域戦闘艦(LCS)」という文字を見て、
多くの日本人は、アメリカ本土、
つまりアメリカ沿岸を守る戦闘艦を連想したかもしれません。
 しかし、それは、全く違います。
コンセプトが違うのです。
書名 現代戦争の最先端兵器大図鑑 宝島社
 アメリカ軍の重点が国家間の大規模戦闘から、
「テロとの戦い」に象徴される「非対称戦闘」にシフトしつつあることは、
本書のほかの兵器項目でも繰り返し強調されている。
 アメリカ海軍においても同様で、
艦隊決戦への備えの比重が低下し、
地上軍の作戦支援が重視されるようになっている。
 そうした変化を最も象徴している艦船が、
沿岸戦闘艦(Littoral Combat Ship)
「フリーダム(LCS1)」と「インディペンデンス(LCS2)」だ。
 敵国沿岸まで進出して、
脅威を敵領海内に封じこめるというコンセプトは、
アメリカならではのものだ。
(引用、以上)

非対称の時代 2013 1 14
 私が発展途上国の軍事指導者だったら、こう考えます。
「残念ながら、わが国では、工業力の塊である戦車を作ることはできない。
 戦闘機だって同じである。
機体を真似て作ることはできても、高性能なジェットエンジンは作れない。
 艦船も同じだ。
外見を真似て作ることはできても、高出力のエンジンは作れない。
 さあ、どうするか。
もはや、わが国は先進国に勝てないのか。
 ちょっと待て。
安価な対戦車ミサイルで、高価な戦車を撃破できると聞いたことがある。
 そうだ。
わが国でも、ミサイルならば開発できる。
対戦車ミサイルどころか対艦ミサイルや対空ミサイル、
いや弾道ミサイルだって作れる。
 さすがに米国まで届く長距離ミサイルは技術的に難しいが、
近距離の弾道ミサイルだったら、100発でも200発でも作れる。
こうしたミサイルを大量生産できる」
 このように発展途上国の軍事指導者は、現実的に考えますが、
先進国の軍事指導者は、相変わらず、
戦車対戦車、戦闘機対戦闘機、艦船対艦船の戦いを想定しています。
 実に、非対称の時代になったものです。
そう言えば、昔も似たようなことがありました。
 日本海軍は、戦艦対戦艦の戦いを夢見て、
世界最大の巨大戦艦「大和」を建造しましたが、
時は、空母の時代、いや航空戦力の時代になっていました。
 ところで、国民からは、ミサイル時代になっても、
日本には、ミサイル防衛システムがあるから大丈夫だという安全神話が出てきそうです。
 しかし、ミサイル防衛システムというものは、
技術力の誇示には有効でも、実用性はありません。
理想的な条件が揃えば、ミサイル防衛システムは有効かもしれないというレベルです。
 では、対応策はないのか。
これは、何度も書いていますが、
相手国が弾道ミサイルを開発したら、自分の国も弾道ミサイルを開発することです。
 それができないならば、次善の策として、
巡航ミサイルを500発程度用意することです。
潜水艦発射型でも駆逐艦発射型でもいいでしょう。
 今、日本がしなければならないことは、
最新鋭の戦車を作ることでもなく、最新鋭の戦闘機を買うことでもありません。
弾道ミサイルや巡航ミサイルこそ、日本に必要なものです。

東京に核ミサイル 2013 3 9

2013年3月9日の産経ニュース電子版には、このようなニュースがあります。

北朝鮮の核小型化「日本標的」、「ノドン」に搭載 アメリカ専門家ら見解

【ワシントン】北朝鮮が一連の核実験で目指すとされる、
小型の核弾頭の装着対象は、
アメリカ本土にも届く長距離の大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではなく、
日本全土を射程に収める準中距離弾道ミサイル「ノドン」だという結論が、
アメリカ政府内外で定着したことが、8日までに明らかにされた。
(中略)
 ノドンは北朝鮮が1990年代から保有する、
準中距離弾道ミサイル(MRBM)で、射程は約1300キロ。
韓国や日本全土、沖縄の米軍基地も射程に収める。
現在は200基ほど保有して日本国内の中枢都市や米軍基地などを標的にするとされる。
(引用、以上)
 これを読んで、多くの国民は、
「日本は、ミサイル防衛システムがあるから大丈夫だ」という、
安全神話に頼るかもしれませんが、
ミサイル防衛システムは、技術力の誇示には有効でも、実用性はありません。
 最も実用的で、結果的に安上がりな対応策は、
相手国が弾道ミサイルを開発したら、
自分の国も弾道ミサイルを開発することです。
少なくとも巡航ミサイルは配備すべきでしょう。

書名 東京に弾道ミサイル! 核災害で生き残れる人、生き残れない人
著者 高田 純  オークラNEXT新書

 「永田町から首都の壊滅を見ることになるとは。
これが1945年以来、平和を希求してきた日本の結末なのか!」
 地下鉄の通路を駆け上がって急いで地上へ出た、
政治部記者の平岩は絶句した・・・・・。
国民保護警報が鳴り始めてから、わずか1分後だった。
 20キロトンの核ミサイルが、
赤坂にある全日空ホテルの上空600mで爆発したのである。
 イージス艦は、20発のミサイル発射を確認。
そのうち、10発が弾道ミサイル。
残り10発のミサイルは、巡航ミサイルで、
日本海に展開していた日米の艦船に向かった。
 最高高度300kmから放物線を描いて落下する核弾頭を含む再突入体は、
速度をぐんぐんと増し、音速の8倍となって大気圏に突入してきた。
 市谷にいた部隊は、天空から高速で落下してくる10個の再突入体へ向けて、
16発の迎撃ミサイルを、次々に発射した。
 しかし、もととも個々の命中率が10%以下と低い上に、
敵の弾道ミサイルが近距離から発射されているために、
迎撃の時間が極端に限られていること、
さらに多数のおとりの再突入体のために、
自衛隊の迎撃は失敗に終わった。
(以上、引用)

















































































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